日本国憲法は「おしつけ」だという。確かに、占領下で作られた憲法だから日本人が自分で作った憲法ではない。その点で釈然としない。

 

 でも、良いところがある。それは多くの日本人も賛成している「第九条」だ。そこに

「国際紛争を解決する手段として武力を用いない。」

とある。

 

 まさに人類史上の残るであろう画期的な宣言であり、占領下で作られたとは言え、私は太平洋戦争で無念の死を遂げた多くの人の遺言だと感じる。

 

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 大人が投下した原子爆弾でこの世を去ったこの子供たちは何を訴えているだろうか?武力を用いること、それは人間の希望を一撃にして失なわしめる。

 

 決して戦争をしてはいけない。それが国の存続や名誉をかけてでも武力を用いない。かつてガンジーは「無抵抗」という手段によってインドの独立を勝ち取った。すでに紛争が武力でなくても解決できる例は示されているのだ。

 

「自分が正義だ。だから他国を武力で屈服させても良い」という論理は、まだ野蛮な文化から抜け出せないヨーロッパやアメリカの論理であって、日本がそれに染まってはいけない。

 

 人間には理屈や論理より、心の底から「正しい」と叫んでいるものがある。あの中学生はもう何も言わない。でも、第九条は彼らのメッセージだ。

 

 だから、自衛隊は日本国土だけを守ればよい。どんなに正義のように見えても、PKOというのが国際的な活動であっても、武力でものごとを解決しようとする方が「劣っている」のだ。

 

 最近の新聞の論調で気になることがある。それは「国際的な基準に合わせないと日本はバカにされる」という意見である。私は、こと戦争に限って言えば、紛争を武力でかたづけるということ自体が古い考えであり、武力を使わないというのが新しい考えだと思う。

 

 カンボジアでは「紛争を武力で解決するな」と言い、インド洋では「紛争を武力を用いても良い」というようでは肝が据わっていない。両価性だ。

 

 二度と武力を使わない・・・それこそ私たちがあの子供たちに謝ることができる唯一のことだ。声を上げて欲しい。平和運動の方、環境運動の方、教育関係の方、そして一般の方、みんな、声を上げて欲しい。

 

 自民党が自衛隊のインド洋の派遣を支持したら、私たちは次の選挙で自民党には投票しないと。