第二の質問

「なぜ、トウモロコシからエタノールを作ることになったのですか?」

 

「最初に、人間はこれまで食べるものを燃料に使うことはほとんど無かったと説明したね。もし、トウモロコシの葉の部分とか、サトウキビのいらないところをエタノールに出来たらよいのだけれど、それは出来ないので、結局、人間が食べるものをエタノールという燃料に使うことになってしまった。

 

 こんな風に考えたらよいのじゃないか・・・

 

 あるお金持ちが、小麦からパンを作り、パンを食べた。その日は少し寒い日で暖炉に薪をくべたかったが、薪が少なくなっていたので、余ったパンを暖炉にくべた。そんな感じだね。

 

 バイオエタノールというのは、この話になぞらえると「小麦=トウモロコシ」、「パン=エタノール」、そして「暖炉=自動車}ということだ。結局、人間の食べるものを燃料として使うという点では同じなのだ。

 

 こんなことはこれまで人間がしたことはないだろう。なにか特殊な時ではないととてもできない。それなのになぜ、こんなもったいないことをするのかというと、今、私たちが使っている石油が少しずつ無くなってきているからだ。

 

 つまり薪が少なくなって来たので、パンを暖炉にくべようということになった。これがトウモロコシとバイオエタノールの関係だ。こんなことが起こるのは、この地球上に余りに人間が多いことと関係があるかも知れない。

 

 一つたとえ話をしよう・・・

 

 昔、一つの村に60人の人が住んでいて、豊作が続き作物は十分にとれるのだけれど、村の実力者の12人がとれた作物の半分ぐらいを買い占めた。その内の一人などはあまりに食糧が多いので食べ過ぎて肥満で困っていたし、もう一人は買い取った作物の半分を食べ残して捨てていた。

 

 ところが残りの人の内、貧乏な8人は飢え死ぬ寸前で、事実、5年に一人は飢えて死んでしまう・・・同じ村なのに、たった60人なのに、食糧は十分にあるのに、飢え死ぬ人がでる・・・奇妙な村だった。

 

 でも、現実にはこんなことは起こらない。60人の村人はお互いに助け合い、力のある人が少し美味しいところを食べることはあっても、飢えて死ぬ人がいるのに、片方で食糧を捨てたり、肥満で困っている人がいる村などなかった。

 

 残念ながら、これは現在の世界なのだよ。

 

 60億人の内、12億人が先進国では食糧が余っている。アメリカ人は食べ過ぎて肥満で苦しみ、日本人は食糧の半分ぐらいを捨てている。

 

 一方では8億人の人が飢えに苦しみ、毎年1500万人の人、それも子供が多いのだが、飢えて死ぬ。でも肥満の人も、食糧を捨てている日本人も世界のどこかで飢えている人がいるなど考えてもいない。

 

 おそらくは人間という生物は、せいぜい1000人ぐらいなら良いけれど余り数が多いと気が狂うのだろう。そうとしか思えない。

 

 だから、なぜ食べ物であるトウモロコシから自動車の燃料を採ろうなどと考えついたように思うが、まだ学問的には判っていない。難しい問題だ。

 

つづく