地球温暖化が問題になっているが、人間の活動が原因して気温が上がるというのは相当なもので、私たちの生活が「やりすぎ」ではないかと心配になる。

 

 そこで、「地球温暖化を阻止しよう」ということに直結する動きが見られる。でも、私たちの力には限界がある。できることと出来ないことがあるからだ。

 

 たとえば相手が自然現象としよう。毎年、毎年、台風が来る。そのたび崖崩れがあったり、ご老人の方が川に流されたりする。この科学技術の発達した時代に台風の進路ぐらいなんとか変えられないかと息巻いても、成功しないだろう。

 

 いっそ台風を無くしてしまうのが良いかも知れないが、それはできないのだからまずは台風に備えようという方が私たちの身の丈にあっていると私は思う。

 

 自然現象ばかりではなく、原因が人間でもこの原理原則は同じである。地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出しているのはアメリカとヨーロッパが約60%、それにこれからは中国、インド、ロシアなどの発展中の巨大な国である。日本はわずか4%だ。

 

 だから日本がいかに頑張っても二酸化炭素を減らすことはできない。白人国家は有色人種の言うことは聞かないし、これから発展する国は日本がアドバイスすれば「それじゃ、日本人が生活を切り下げたら」と言われるだけだ。

 

 そのうち、夏の暑い日は50℃になり、弱い人は死ぬだろう。だから・・・ここからが私の考えが違うところだが、「温暖化しても大丈夫な日本を作っておく」というのが私の考えで、「温暖化を阻止する」のは日本人には無理と考えている。

 

 温暖化しても大丈夫な日本とは「自然と共存して生きる街作り」である。あまり舗装しない、あまりビルを建てない、河川を利用する、できるだけ地上に木を植える・・・などであり、排出権取引など関係がない。

 

 各家庭が小さくても良いからエアコンを備えた部屋を用意しておくのも必要だろう。そして50℃が予想される日はその地方は仕事を止めたり、夏の甲子園の時期をずらすのも一案である。

 

 私たちの力は自然に対しても限界があるし、世界の国に対しても限界がある。「神国日本だから突撃すればなんでもできる」と考えるのは危険だ。

 

少しイヤなことでも身の丈を知ることをお勧めしたい。